フィナステリドは、男性型脱毛症の治療に用いられる医薬品です。フィナステリドの主要な副作用は、性欲減退、勃起障害、精液量減少などの性的機能障害です。その他にも、乳房の腫れや痛み、皮膚発疹、かゆみなどの副作用が報告されています。
しかし、これらの副作用は、フィナステリドを服用している人口全体の中で発生する確率は比較的低いです。例えば、性欲減退や勃起障害は、1%未満の人々にしか発生しないとされています。また、これらの副作用は、多くの場合、フィナステリドの服用を中止することで改善することができます。
フィナステリドの副作用の心配がほぼ皆無である理由は、主に以下の2つが挙げられます。
1.臨床試験による安全性確認
フィナステリドは、承認前に広範な臨床試験が行われ、その安全性が確認されました。これらの試験では、フィナステリドを服用することによる副作用の発生率が明らかにされ、治療上のリスクと効果を評価するために使用されました。これにより、医師は、患者にフィナステリドを処方する前に、患者の個別の状況に応じてリスクを評価することができます。
2.フィナステリドの長期的な安全性
フィナステリドは、長期間にわたって使用されています。これまでの研究では、フィナステリドの使用に伴う重篤な副作用の発生率は非常に低いことが示されています。そのため、フィナステリドを服用する患者の安全性が確保されているとされています。
勃起不全の発生率・・・1%未満
メタ分析によると、フィナステリドを使用する男性のうち、1%未満が勃起不全を報告しています(Thompson et al., 2013)。
性欲減退の発生率・・・1%未満
メタ分析によると、フィナステリドを使用する男性のうち、1%未満が性欲減退を報告しています(Thompson et al., 2013)。
フィナステリドの副作用1%未満をどう考えるか
たった1%、それよりも少ない確率で勃起不全が発生するという結果が出ています。個人的にはこれらのリスクはほぼないと考えて良いと思います。
1%未満に含まれた人は、これがフィナステリドによるものなのか、単なる精神的なものなのかは定かではないため、ここも考慮に入れておくことは重要です。「フィナステリドの副作用に勃起不全や性欲減退があるらしい」という情報を得てから服用し始めるとプラシーボ効果が高まるので、上記のメタ分析データよりも高い数値でこれらの副作用が発生します。
言い換えれば、副作用とされる事象を知っているためにプラシーボ効果がかなり出るということで、これはよくあることです。
私は副作用を一切感じない
私個人はフィナステリドを数年服用していて勃起不全になったことはないし、性欲減退も一切感じていません。
特に中年以降はフィナステリドを飲んでいようがいまいが、勃起不全や性欲減退の症状が出てくる可能性が高まるので、フィナステリドの服用関係なく起こり得るとも考えて置く必要がありそうです。
万が一副作用が出てもフィナステリドをやめれば解消される
副作用はほぼ考えなくてよいですが、万が一症状が出た場合はフィナステリドをやめればもとに戻ります。体に後遺症が残るようなものではないので安心してOKです。
フィナステリドの副作用が出るとしたら、服用後いつくらいから症状が出る?
フィナステリドの副作用が出る場合、症状が出るタイミングは人によって異なります。
一般的に、フィナステリドによる勃起不全や性欲減退の副作用は、薬を使用し始めてから数週間から数か月以内に発生することが多いとされています。ただし、副作用が発生するまでの期間には個人差があり、すぐに副作用が発生する場合もあれば、数か月後に副作用が発生する場合もあります。
とは言え、先にも書いた通り、勃起不全や性欲減退は加齢やストレス、緊張などによっても容易に発生することなので、ハゲたまま生活するほうが良いのか、フィナステリドで抜け毛を止めて毛量をもとに戻した生活を続けるほうが幸せなのかをよく考えて決断してください。
私は薄毛のまま生活するのは無理でしたし、1%未満の発生率はまずリスクがほぼゼロなので。
フィナステリドの副作用リスクを低減する方法
医師の指示に従う
フィナステリドを使用する場合は、医師が指示した用量や服用方法に従うことが重要です。また、医師が副作用が発生するリスクを判断して、必要に応じて他の治療法を提案することもあります。適切な医師の指導の下で薬を使用することが、副作用リスクを低減するための第一歩です。
健康的な生活習慣を維持する
健康的な生活習慣を維持することで、副作用リスクを低減することができます。適度な運動やバランスの取れた食事、禁煙などがその例です。
サプリメントを利用する
一部の研究によると、フィナステリドによる副作用を低減するために、特定の栄養素を含むサプリメントを摂取することが有効である可能性があります。たとえば、亜鉛やビタミンEなどがその例です。ただし、これらのサプリメントには副作用がある場合があるため、医師と相談することが重要です。
治療法の変更
フィナステリドによる副作用が持続する場合には、他の治療法に変更することが必要になることがあります。薬剤の種類や治療法の選択肢には個人差があるため、医師と相談し、自分に適した治療法を選択することが重要です。
総じて言えることは、フィナステリドの副作用リスクを低減するためには、適切な医師の指導の下で薬を使用すること、健康的な生活習慣を維持すること、必要に応じてサプリメントを利用すること、治療法の変更を検討することが重要であるということです。
政府系の参考ページ
厚生労働省医薬品・生活衛生局:https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/01.html
医薬品医療機器総合機構:https://www.pmda.go.jp/
メルク社(フィナステリドの製造メーカー):https://www.merck.com/
フィナステリド情報サイト(メルク社が運営):https://www.propecia.jp/
フィナステリドの添付文書(メルク社が提供):https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4299401F1027_1_10/