震度5強の地震で通常勤務、企業のBCPと社員の自由裁量

2021年10月7日首都圏で震度5強の地震が発生し、翌日の公共交通が乱れたことと出社についてのニュースが話題になっていました。

コロナによりテレワークが注目され一部企業では浸透し始めたところですが、この地震が発生したときには既に新規感染者数が2桁になっていたこともあり、出社に切り替えられてしまった社員も多かったようです。

そこで震度5強という大地震の翌朝、出社する必要があった人の声と企業のBCPについてのネットの意見をまとめてみました。の

大地震のあとでも普通に出社した人たち

ニュースでは、震度5強の大地震の翌朝でも通教交通が乱れている中、何とか遅れまいと出社した人の声が載っていました。

「会社から何の連絡もなく、普通に出社するしかなかった」
「普段の3倍の時間をかけて出社した。テレワークなら楽だったのに」

このニュースでは会社からの指示がなかったため、非常事態ではなく通常運転で出社するのだろうという判断のもと、いつもどおり出社したようです。

企業のBCPについて

三井住友海上火災保険の例

三井住友海上火災保険は「震度5強以上の地震が起きた際、その都道府県の拠点に所属する社員は原則、48時間以内は在宅勤務または自宅待機」というBCP(事業継続計画)が策定されていたため、その通り実行し、大きな混乱はなかったようです。

既に大手はBCPをしっかり計画済

これまでも大手企業では3.11以降にBCPを策定し、一定の基準は既に出来上がっているはずです。さらに取引先企業に対しても緊急時にどのようなBCPがとれるのかのヒアリング等を行っていたはずです。逆に意識の高い中小企業では自らBCPを策定し安全性をアピールするところも少なからずあるかもしれません。

中小・零細はBCPはあってないようなもの

中小・零細企業の場合はガチガチなBCPのルールではなく、下請けとして仕方なく書面上作っただけで実際大地震発生後の行動や連絡などが行われているかどうかはかなり微妙です。社員も自社のBCPがどのようになっているか知らない人のほうが多いでしょう。

このニュースへのネットの声も見てみました。

大地震後の出社について、ネットの意見

  • 移動中の危険に配慮して業務にあたって下さいというBCPを死守するための行動をさせられた
  • 上の人間は公共交通機関使ってないから
  • 地球が滅亡しようと通常勤務という今の状況はなんとかすべき
  • 自分で判断できないなら指示を仰げばいいのに
  • 指示がないなら自分で判断し行動できるようになると良い

コロナ以前は形骸化するBCPを作成する中小零細は多かったのでは

3.11以降、ある程度落ち着いたあたりにはBCPを策定することが急務とされた時期がありました。

当時はまだテレワーク事自体が企業で認められない時代ですから、「何とか頑張って無理をして公共交通が止まっていたとしても瓦礫をかき分けて出社して通常運転に近い状態を復旧する(から安心して取引を続けてください)」のような、そんな実行できる根拠のない竹槍構想が描かれたBCPが多かったのかなと推測します。

そもそも非常事態に備えてテレワークができるようにパソコンやデータの持ち出し、社外からのアクセス権、回線確保、セキュリティ環境の整備などがどれだけ現実的にまとめられていたか非常に疑わしいです。コロナの緊急事態宣言になってほとんどの中小企業が見切り発車でテレワークに切り替えたところを考えても透けて見えてきます。

逆に知り合いの上場企業に務める人たちはスムーズに緊急事態宣言前にはテレワークに切り替わっていました。

多くの中小零細企業で既に策定されたBCPは、残念ながら最初から形骸化した内容であると言えるでしょう。テレワークができるのにしなかったという話を聞くと「危険であるにも関わらず無理やり出社させて事業を継続させる」ことがその会社のBCPなのでしょう。テレワークができるにも関わらずテレワークをしないもしくはすぐに通常出勤に戻した企業などを見るとBCPはあってないようなものです。火の雨が降っていても定時に出社しなければいけません。

今後未知の感染症が蔓延する可能性は現実味を帯びてきました。映画の世界と思っていたことが世界で起こったからです。また日本は3.11を経験し、より危機意識が高かったはずなのに、まったくBCPが機能していなかったことは大きな反省点でしょう。

そして新規感染者数が減った今、まったく意味のないBCPを改めて読み返し、策定しなおした企業はどれくらいあるのでしょうか。