コオロギ食が取り沙汰されたきっかけは、持続可能な未来を考えるうえでの食の選択肢の一つとして、昆虫食が注目されるようになったことが挙げられます。
昆虫食は、資源の枯渇や環境問題など、持続可能な社会を実現するための解決策として注目されており、その中でもコオロギは、栄養価が高く、食べやすく、消化吸収が良いことから、特に注目されています。
また、世界的にも昆虫食が広がりつつあり、コオロギをはじめとする昆虫食が、ヨーロッパやアジアを中心に、レストランや食品メーカーで提供されるようになっています。これらの動きが、コオロギ食が取り沙汰されるきっかけとなったと言えるでしょう。
コオロギに含まれる毒性のある成分は何?またそれを摂取すると人にはどんな影響がある?
コオロギに含まれている毒性の成分とは
コオロギに含まれる毒性のある成分は、ピロリジジンアルカロイドと呼ばれる化合物です。この化合物は、植物が自己防衛のために作り出すものであり、コオロギが食べる植物に含まれているため、コオロギにもこの化合物が含まれます。
ピロリジジンアルカロイドの危険性
ピロリジジンアルカロイドは、肝臓に蓄積されると毒性を発揮し、肝臓細胞の損傷を引き起こします。人が大量にピロリジジンアルカロイドを摂取すると、肝機能障害や肝臓がんの発症リスクが高まるとされています。
食用のコオロギにはピロリジジンアルカロイドが少ない、とされている
コオロギ食に使用される種類のコオロギには、この成分が含まれる量が極めて少ないため、健康への影響はほとんどないとされています。
食用コオロギを育てるために必要な餌などのコストと、既存の食料の生産コストや環境負荷の比較
既存の食料生産におけるコストや環境負荷と比較すると、食用コオロギ飼育の方が比較的低コストであり、環境負荷も小さいとされています。
家畜と食用コオロギの比較
たとえば、家畜の育成には大量の飼料や水、飼育スペースが必要で、糞尿処理や温室効果ガスの排出など環境負荷が大きく、これに比べるとコオロギは少ない餌とスペースで育成でき、糞尿も少なく済みます。
穀物とコオロギの比較
小麦や米の場合は栽培期間が比較的長く、収穫後に加工や保存が必要ですが、コオロギの場合は比較的短い期間で収穫できるため、生産コストが比較的低く抑えられるとされています。
とは言え、食用コオロギの生産はまだコスパが良くない
食用コオロギの生産は、まだ需要と供給のバランスが取れていない状況が続いており、生産コストを抑えることができても、市場における競争力や需要の拡大が課題となっています。
日本で発売されているコオロギ入りの食品
日本で発売されているコオロギ入りの食品には以下のようなものがあります。
- コオロギ入りスナック菓子
- コオロギ入りクッキー
- コオロギ入りパスタソース
- コオロギ入りスパイスミックス
- コオロギ入りフルーツバー
- コオロギ入りプロテインバー
- コオロギ入りスムージー
なお、食品表示法により、原材料名にコオロギが含まれる場合は、必ず表記されます。
元農林水産大臣・山田正彦氏がコオロギは食べない方がいいと発言
元農林水産大臣・山田正彦氏は、「私はコオロギについては食べるべきではないと思っています。漢方医学大辞典ではコオロギは微毒であり、とくに妊婦には禁忌だとされていますし、昔からイナゴや蜂の子は食べてもコオロギは食べないですよね。少なくとも私は食べません」と発言。
「様々な議論がされていますが、わざわざリスクの挙げられているコオロギを食べる必要がないと思っています」とのこと。たしかに、リスクがあるというものを新たにコストをかけて生産する必要はないし、そうなったとしても食べる必要はなさそうです。
世界人口はある一定の時期で減り始める説
これ以上人口が増えて、食品生産による環境負荷を軽減するためにコオロギ食が世界で注目されているわけですが、しかし日本、韓国、さらには中国までが出生率が落ち始め、人口が減り始めています。
先進国になり成熟するほどに出生率は下がります。これを何とか維持しさらに上げていこうというのが少子化対策であり、各国で推奨されていることです。しかし実際は結婚するかとないかの自由化や仕事の多様化、人生の多様化が進み、子供を生み育てることから遠ざかりつつあることは間違いありません。
その上で考えるべきは、本当にこのまま食糧危機が訪れるほど人口が増え続けるのか、ということです。
ホリエモンなども発言しているように、コオロギ食のための補助金などをしている場合ではなく、既存の業界に補助金を出したり廃棄している食材の活用などを推進すべきというのも納得できます。